中国絵画
蝦蟇鉄拐図(がまてっかいず)
基本情報
- 顔輝筆
- 絹本著色
- 各161.3×79.7 cm
- 元時代(14世紀)
- 京都 知恩寺
- 重要文化財
仙人、李鉄拐(りてっかい)と蝦蟇(がま)仙人こと劉海蟾(りゅうかいせん)が照応するように斜め向きになって岩上に坐る。鉄の杖を胸元にたてかけた李鉄拐は、ちょうど魂を吹き出した所で、もとの体は脱けがらとなってすでに死色を帯び、硬直し始めている。一方、劉海蟾は不老長寿を示す桃を持ち、肩に大きな白蟾をのせている。
筆者、顔輝(がんき、字は秋月〈しゅうげつ〉)は廬陵(今の江西吉安)の出身。宋末元初の13世紀後半に活躍した道釈人物画家である。怪異な主題を強調する変形された顔の輪郭や大胆にうねる衣紋には、宋画の写実的表現から脱けでた新たな造形感覚が窺える。
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