中国絵画
秋景冬景山水図(しゅうけいとうけいさんすいず)
基本情報
- 伝徽宗筆
- 絹本著色
- 各128.2×55.2 cm
- 南宋時代(12世紀)
- 京都 金地院
- 国宝
山梨の久遠寺が蔵する夏景山水図と同じく、中国所蔵家の「仲明珍玩」「盧氏家蔵」の印と足利3代将軍義満(よしみつ)の蔵有を示す「天山」印が押され、絹幅・作風も共通するところから、元来は、失われた春景図をふくめて4幅揃いの四季山水図であったと考えられる。
この両幅は10代将軍義稙(よしたね)のときに大内氏に渡り、妙智院を経て、金地院崇伝(こんちいんすうでん)に贈られたもので、限定されたモチーフと対角線を基本とする卓抜な構図が、鑑賞者を巧みに画中の高士と一体化させ、四季おりおりの風情を体験させてくれる。徽宗(きそう)皇帝の筆者伝承は日本に渡ってからのものと思われるが、構図で馬遠(ばえん)の辺角の景に、皴法では梁楷(りょうかい)に類似しながらも、やや先行する特色を示し、その制作時期は12世紀後半と考えられる。