中国絵画
孔雀に乗った異形の明王が、雲をともない天空より舞いおりる。一面四臂の像が多い日本の孔雀明王とは異なり、三面六臂像に描かれ、左右面は慈悲相の正面とは対照的に暴悪相に表されている。
鋭利な描線で細身の姿をやや高めの視点からとらえ、顔容には微妙な暈を加えて知的な冷たさを漂わせ、衣や白色が主体の台座蓮弁には緻密な装飾が施されている。羽根をひろげた孔雀はきわめて写実的で、図像的意味合いから一歩抜け出ている。本像を有する仁和寺では、孔雀明王の修法が真言密教の秘法として行われ、藤原道長(ふじわらみちなが)が唐本の孔雀明王像1幅を施入している。しかしその像はのちに、惜しくも焼失してしまったという。
当館ウェブサイトでは、ウェブサイトの利便性向上のためにCookie(クッキー)を使用しています。Cookieの利用にご同意いただける場合は「同意する」ボタンを押してください。「拒否する」を選択された場合、必須Cookie以外は利用いたしません。必須Cookie等、詳細はサイトポリシーへ