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金工
重要文化財
刀 銘山城国西陣住人埋忠明寿/慶長三年八月日他江不可渡之かたな めいやましろのくににしじんじゅうにんうめただみょうじゅ/けいちょうさんねんはちがつひほかへこれをわたすべからず
- 1口
- 刃長64.7cm
- 桃山時代 慶長3年(1598)
- 京都国立博物館(E甲187)
埋忠明寿(うめただみょうじゅ)は桃山時代から江戸初期にかけて京の西陣に住し、新刀鍛冶の祖と称せられた刀工である。また彼は彫金の技にも優れ、鐔(つば)や刀身彫刻には前時代にみられない華麗な斬新さがある。この刀は反(そり)が浅く、身幅なやや広めで平肉がつかず、鋒(きっさき)は延びて、一見して南北朝時代の太刀を磨き上げた形状を模したことがわかる。銘文に見る「他江不可渡之」は自ら快心の作として子孫一門に与えたものであろう。明寿の作刀中、長いものは現存するものが少なく、正真と鑑せられるものは相馬家に伝来したこの1刀のみである。