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染織
重要文化財
束熨斗文様振袖たばねのしもんようふりそで
基本情報
- 1領
- 紅紋縮緬地 友禅染・型染・絞り染・刺繡・摺箔
- 丈162.0cm 裄59.0cm
- 江戸時代 18世紀
- 京都・友禅史会
金の紐で束ねられた色とりどりの熨斗が、ゆるやかに弧を描きながら肩から全体に広がる、華やかで堂々とした意匠の振袖。おそらく富裕な町人が婚礼衣裳として誂えたもので、嫁ぎ先に熨斗を付けて娘を送り出すという、洒落た趣向なのだろう。
絞り染で紅の地色と熨斗部分を染め分け、熨斗の一筋一筋には、とりどりの技法を駆使して、鳳凰・松竹梅・菊・宝尽くしなどの吉祥文様が詰められている。
きものを中心に扱う古美術商で、自身もコレクターであった野村正治郎の旧蔵品である。売却依頼を断ったにもかかわらず、この振袖があまりにも気に入ったので京都への贈り物にするとして、高額の小切手を郵送してきたアメリカの大富豪・ロックフェラー2世の粋な計らいに応え、野村から友禅染を扱う業界団体であった友禅史会へ寄贈された。