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染織
重要文化財
鳥獣文様陣羽織ちょうじゅうもんようじんばおり
基本情報
- 1領
- 綴織
- 丈99.4cm 肩幅59.4cm
- 桃山時代 16世紀
- 京都・高台寺
豊臣秀吉の所用品で、秀吉の正妻である高台院が京都東山に開いた高台寺に伝来した。連続して配された菱形の窓の中に、2頭の動物が組み合って闘う様子や獣の頭部が綴織であらわされている。絹糸に銀の薄板を巻き付けた特殊な金属糸を広範囲に用いることから、サファヴィー朝ペルシアの宮廷工房で製作された生地と考えられる。本来は敷物や壁掛といった室内装飾に用いるものだが、堅牢さと華やかな色調、そして戦場を連想させる動物闘争文様から陣羽織に転用されたのだろう。
キリスト教の布教と貿易のためにスペインやポルトガルから訪れた南蛮船がもたらした品を利用しており、大航海時代の余波が日本にも及んでいたことを教えてくれる。