漆工
花鳥蒔絵螺鈿 角徳利並びに櫃(かちょうまきえらでんかくとくり ならびにひつ)
基本情報
- 徳利
縦横共11.8cm
高30.2cm - 櫃
縦28.2cm
横41.5cm
高30.2cm - 桃山時代(16世紀)
- 京都国立博物館
- H甲60
桃山時代、ヨーロッパ向けに輸出用として造られた"南蛮漆器"と呼ばれる角徳利。おそらく葡萄酒を入れたものであろう。6本1組で櫃に納められている。南蛮漆器の器種は教会の儀式に用いられた聖餅箱・聖龕・書見台や、装飾調度として洋櫃・洋箪笥・双六盤などが造られた。そして、技法・意匠は金平蒔絵と螺鈿でそのほとんどが花鳥を全面に配したものである。この徳利もその典型的な遺品であり、櫃に入って保存されたため製作当初の姿をとどめている。南蛮漆器中でも優品に数えられるものの1つであろう。近年イギリスから逆輸入されたものである。