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漆工
重要文化財
椿尾長鳥堆朱盆つばきおながどりついしゅぼん
基本情報
- 1面
- 径32.4cm 高3.5cm
- 中国 元時代 14世紀
- 京都・興臨院
厚く塗り固めた漆の層に文(様を彫り込む中国の漆芸技法のうち、最上層が朱漆のものを日本では堆朱と呼ぶ。鎌倉時代に禅宗文化とともに日本にもたらされて以降、唐物として珍重されてきた。記録によれば堆朱は唐時代には既に存在していたようだが、今日まで伝わった品は元時代以降の作と推定されている。日本では室町時代の座敷飾りの指南書に、元時代の浙江省嘉興県から出た名工、張成、楊茂が記され人気となり、優れた作品には後からでも彼らの名を針書で記すことが多い。本品の高台内にも「張成造」の針書がある。文様の彫りが深く図様がおおらかで力強いこの盆は、元時代の堆朱の優品と位置づけられている。