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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
- 展示作品リスト
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特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
-
- 展示作品リスト【その他】
-
弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
- 展示作品リスト
-
京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
- 展示作品リスト
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
- 展示作品リスト
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
- 展示作品リスト
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刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
- 展示作品リスト
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化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
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特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
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刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
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化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
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特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
- 展示作品リスト
-
墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
- 展示作品リスト
-
きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
- 展示作品リスト
-
刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
- 展示作品リスト
-
化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
- 展示作品リスト
-
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
- 展示作品リスト
-
特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
-
- 展示作品リスト【その他】
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
- 展示作品リスト
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
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刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
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化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
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特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
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刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
- 展示作品リスト
-
化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
- 展示作品リスト
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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
- 展示作品リスト
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特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
-
- 展示作品リスト【その他】
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
- 展示作品リスト
-
京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
- 展示作品リスト
-
墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
- 展示作品リスト
-
きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
- 展示作品リスト
-
刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
- 展示作品リスト
-
化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
- 展示作品リスト
-
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
- 展示作品リスト
-
特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
-
- 展示作品リスト【その他】
-
弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
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刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
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化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
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-
特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
-
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
- 展示作品リスト
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
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刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
- 展示作品リスト
-
化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
- 展示作品リスト
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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
- 展示作品リスト
-
特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
-
- 展示作品リスト【その他】
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
- 展示作品リスト
-
京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
- 展示作品リスト
-
墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
- 展示作品リスト
-
きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
- 展示作品リスト
-
刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
- 展示作品リスト
-
化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
- 展示作品リスト
-
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
- 展示作品リスト
-
特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
-
- 展示作品リスト【その他】
-
弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
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-
刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
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-
化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
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-
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
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-
特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
-
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
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-
刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
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化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
- 展示作品リスト
-
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
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特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
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弘法大師空海の絵伝 生誕1250年を記念して
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
絵巻|2F-1展示室
2023年は、空海の生誕1250年にあたります。宝亀5年(774)6月15日に讃岐国(現在の香川県)で生まれた空海(幼名真魚)は、官僚になるべく大学へ進みますが、仏教に出会って最上の教えとみなすに至りました。出家後、唐へ渡って真言密教を深く学びます。帰国後は国家に重用され、金剛峯寺や東寺(教王護国寺)を開いて今に至る真言宗の基礎を築きました。その影響は宗教思想だけでなく、文学、美術、医学や工学にまで広く及びます。内容を完備する安楽寿院所蔵の絵伝によって、空海の行状をたどります。
高祖大師秘密縁起 十巻のうち巻一(部分) 往忠筆 京都・安楽寿院
十二天屏風の世界
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天 伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
中国の名勝―江南と西湖
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中世絵画|2F-3展示室
鎌倉~室町時代は、近代以前において日本の人々が最も頻繁に海を渡った時代です。貿易や留学などを通じて海外の品々が大量にもたらされたこの時期、水墨画もまた東アジアの国際文化として新たに日本に根付き、発展を遂げました。
古来、長江下流域の南岸、江南の地は中国における文化・宗教の一大中心です。中世の日本にとっても、貿易の最大の拠点である寧波を擁し、大勢の留学僧が学んだ禅宗寺院が点在する極めて重要な土地でした。ゆえに人々は典型的な大陸の風景として江南を思い描き、歴史・文学史上に名高い西湖などの名勝に憧れたのです。本展示では、中世水墨画に託された江南の様々なイメージをご覧頂きます。
重文 湖山小景図(部分) 翺之慧鳳賛 松谿筆 当館
京を描く―洛中洛外図屏風
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
近世絵画|2F-4展示室
平安時代以来、天皇の住む都として繁栄を築いてきた京都。その都市としての姿を一望する大画面作品=洛中洛外図屏風が誕生したのは、室町時代になってからのことです。
洛中洛外図屏風の表現上の特徴は、現実の町筋や建物等の位置関係に基づきつつ、金雲や霞によって画面を分節することによって、巧妙に主要モチーフに焦点を絞り、全体として違和感のない京の姿を描き出している点にあります。そこには、時に過去の事象までもが取り込まれており、人々の記憶が蓄積したイメージの産物であるがゆえに、現代人も容易にその中に入って遊ぶことのできる魅力を備えているのです。
洛外名所遊楽図屏風(左隻) 狩野永徳筆
南張北溥―中国近代の巨匠 張大千と溥心畬―
2023年1月2日(月・休)~2月5日(日)
中国絵画|2F-5展示室
“南張北溥(南の張大千、北の溥心畬)”と並び称されたこの二人の画家を抜きに、中国近代の絵画史を語ることはできません。張大千(名は爰、1889~1983)は四川省出身で、母から絵画の手ほどきを受け、20歳の頃上海に赴き本格的に書画を学びました。国際的に活躍し、いまも世界的評価を受けています。溥心畬(名は儒、1896~1963)は、清の皇族で最後の皇帝溥儀の従兄でした。幼少より詩書画の素養を磨き、知性的で瀟洒な画風で北京画壇を牽引しました。今年度、この二大家を師にもつ伊藤紫虹氏より、溥心畬の作品を中心に28件をご寄贈いただきました。これを記念して彼らの芸術の一端をご紹介いたします。
帰雁絶壁図 張大千筆 当館
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京都の仏像と神像
2023年1月2日(月・休)~3月5日(日)
彫刻|1F-1展示室
京都国立博物館の彫刻分野の館蔵品は、残念ながらさほど多くはありません。そのかわりに京都府内をはじめとして全国の多くの社寺から、貴重な仏像・神像をお預かりしています。今回の特集では、京都の社寺の寄託品から国の指定品を中心に、とくに彫刻展示担当者の思い入れが深いものを選んで展示いたします。奈良時代から鎌倉時代にかけての、京都の仏像と神像の名品の数々を、ご堪能いただけましたら幸いです。また、市比賣神社からあらたにご寄託いただいた近世の獅子・狛犬を、かねてからお預かりしている女神像とともに公開いたします。
重文 宝誌和尚立像 京都・西往寺
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墨蹟―禅僧の書
2023年1月2日(月・休)~29日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
重文 仏説四十二章経(部分) 蘭渓道隆筆 当館
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きものの近代
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
染織|1F-4展示室
大政奉還により江戸幕府の統治が終わり明治時代が始まると、日本は海外との交流を推進し、西洋の技術や文化を積極的に取り入れるようになりました。この潮流の中で、織りや染めにも新たな技術やデザインが導入されるようになります。技術革新は多彩で華やかなきものをより広い階層へ届ける起爆剤となり、モダンな都市生活の確立ともあいまって、近代ならではのおしゃれが誕生しました。
日本の国力が高まった大正から昭和初期のきものを中心に、江戸時代とは異なる近代のきものの魅力を紹介します。
洲浜に松文様袷 重ね下着附属
当館
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刀を飾るⅡ
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
金工|1F-5展示室
日本文化を代表する工芸作品が日本刀です。日本刀は、刀身のみで身につけることも、使用することもできません。刀身を安全かつ自由に操るための外装を拵(こしらえ)と呼び、そこには独自の美と文化が生まれました。この展示では、刀を飾る様々な拵や、刀装具の名品を紹介いたします。
重文 黒漆太刀拵 中身:太刀 銘 波平行安(号笹貫) 当館
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化粧道具
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
漆工|1F-6展示室
現代でもメンズメイク復興の兆しがありますが、昔の日本の高貴な人々は男女ともに白粉やお歯黒などの化粧をしました。そのため昔の高級な化粧道具は女性用とは限らず、神々に奉納された化粧道具が男神用の場合もあるのです。髪や着物に香を焚きしめ、上等な油や目の細かい櫛を使って髪を整えるために、それぞれ専門の道具を揃えました。木製品を最高級に飾る場合、日本では漆を塗った上に金銀の粒を用いて文様を描く蒔絵という技法を用いました。江戸時代になると、町人階級にも裕福な人々が現れ、娘たちの嫁入り道具として、公家や武家に倣った蒔絵の調度を持たせることがありました。きらびやかな蒔絵の化粧道具は、町娘たちのあこがれの品だったはずです。
国宝 籬菊蒔絵手箱 内容品共 和歌山・熊野速玉大社
国宝 籬菊蒔絵櫛箱 和歌山・熊野速玉大社
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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
日本と東洋のやきもの
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
陶磁|3F-1展示室
やきものは鑑賞するだけでなく、食器や日常の調度品などに多く用いられており、私たちにとって身近な工芸品といえます。特に東アジア各地では、文様や形、色に至るまで多種多様なものが作られ、その用途も幅広いものです。また、やきものは産地により、磁器や陶器といった材質や、土や釉薬の原料、装飾や焼成の技術に強い個性を持っています。
日本と中国、朝鮮半島を中心に、東アジア地域でつくられたやきものの個性やその魅力について紹介します。
加彩婦女俑 当館
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特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―
2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
考古|3F-2展示室
古墳文化は3世紀中頃に畿内地方で成立し、4世紀までに前方後円墳や居宅をはじめとする共通性の高い要素が東北から九州地方まで拡がりました。ところが5~6世紀になると、各地で石室や副葬品などに独自なスタイルが現れます。
なかでも九州中南部(熊本・宮崎県)地方では、本州・四国地方には見られない独特の古墳文化が発達しました。熊本・福岡県を中心に分布する石の“埴輪”(石人)や“レリーフ”(石障)、宮崎県に多い南海産貝製の貝輪などはその典型です。一般に斉一的なイメージが強い古墳文化の地域性について、熊本・宮崎地方の独自な考古資料をご紹介します。
貝輪(ゴホウラ製) 宮崎県大坪1号地下式横穴墓出土
宮崎県立西都原考古博物館
線刻直弧文鹿角製品 熊本県国越古墳出土
熊本県立装飾古墳館
- 展示作品リスト【特別公開 熊本・宮崎の古墳文化―石人と貝輪―】
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