近世絵画
大徳寺の塔頭、黄梅院の方丈(檀那の間)を飾るもの。筆者は山口の毛利家に仕え、雪舟の旧居雲谷庵を継いだ雲谷等顔(1547-1618)である。図は等顔様真体山水図の典型ともいうべきもので、広びろとした水景を中心として屹立(きつりつ)する山容や巨岩、家屋などの諸題材が規則正しく布置されている。『画乗要略』(白井華陽著)のいう「山水結構脈絡井然」とは、まさに本図のごとき作品を指すのであろう。細やかな筆遣い、奥行き感のある構図法などは現存する等顔画の中ではかなり早期の制作を思わせるが、実際の制作年代を明らかにする資料は今もって見出されていない。
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