書跡
京都五山の一つ、東福寺には禅院殿舎にかける額字や牌字の原本が数多く遺されている。これらはもともと博多の承天寺のために開山円爾(えんに、弁円〈べんねん〉 聖一国師、1202-80)の師匠であった無準師範(ぶじゅんしばん、仏鑑禅師、1178-1249)が送り与えたものであったが、承天寺が天台衆徒の抗争にあった際、円爾とともに円爾が開いた東福寺に移されて今日に至ったものである。これらはともに大字の書で、無準の筆蹟のほかに禅林との交遊の深かった南宋の能書家張即之(ちょうそくし、1186-1266)が書いたと思われる書風が認められる。いずれも威風堂々とした力強い筆致で、重厚さの中に鋭いまでの気魄に満ち満ちている。この1幅は張即之の書風。また首座(しゅそ)とは禅院における職位を示すもので衆僧中の首位に坐る役名のこと。
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