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中世絵画
重要文化財
琴高仙人・群仙図きんこうせんにん・ぐんせんず
基本情報
- 3幅
- 紙本墨画淡彩
- 中幅:縦121.6cm 横54.0cm 左右幅:(各)縦121.0cm 横56.0cm
- 室町時代 16世紀
- 京都国立博物館(A甲357)
作者の雪村(せっそん)は、室町時代末期に関東や南東北地方で活動した禅僧画家。15、16世紀にかけて、建長寺など鎌倉の禅宗寺院や有力武家の周辺で根付いていた関東土着の水墨画様式(関東水墨画)を基礎としつつ、メリハリとリズム感のある筆法、モチーフの大胆なデフォルメによって、躍動感あふれる独創的な画風を作り上げた。山水や花鳥、道釈人物や肖像画など多くの主題を手掛けたが、特に好んだ画題の一つが神仙(しんせん)で、既存の図様にとらわれない作例を多く生み出している。本作は雪村の神仙図の代表作の一つとして著名なもので、河神である龍を捕えるべく鯉に乗る琴高仙人を中幅に据え、左右に興味津々でそれを見守る仙人と侍童(じどう)たちを配置する。人物描写に雪村ならではのユニークなデフォルメを施しつつ、躍動する線描と鋭敏な墨の濃淡によって、光や風の表現効果をもたらすことに成功している。