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陶磁
織部扇形蓋物おりべおうぎがたふたもの
基本情報
- 1合
- 高11.3cm 横幅29.7cm 縦幅24.8cm
- 桃山時代 17世紀
- 京都国立博物館(G甲469)
織部は志野とともに桃山を代表する焼物である。志野が美濃で天正・文禄ごろに優れた製品を焼造したのに対して、織部は慶長・元和ごろにつくられた。この扇形の蓋物は織部の典型的な作品の一つである。ふた表に箆(へら)目で扇の骨と地紙を表わし、骨の中央に力強い根竹のつまみを張り付け、身にも箆彫りの扇骨を表わしている。蓋には三方に、身には二方に織部独得の美しい緑釉をほどこし、白地の部分には、石畳や縞、網、梅唐草、連珠文風なものなどを組み合わせて銹(さび)絵で描いている。桃山時代に作られた本格的な食器の一つであり、時代の好みを端的に示した作品である。底は一部が露胎であり、三方にちいさな脚を貼り付けている。