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漆工
屈輪文堆黒輪花盆ぐりもんついこくりんかぼん
基本情報
- 1面
- 高5.4cm 径37.2cm
- 中国 元時代 14世紀後半
- 京都国立博物館(H甲35)
厚く塗り固めた漆の層に文様を彫り込む中国の漆芸技法のうち、最上層が黒漆のものを日本では堆黒と呼ぶ。鎌倉時代に禅宗文化とともに日本にもたらされて以降、唐物として珍重されてきた。「屈輪」は、渦状の反復文様のことで、「ぐりぐり」としているところから中世以来この名で呼ばれている。本品は中央に五弁花形に屈輪を置き、どのように計算したのか、その外側に七重の同心円状に屈輪を整然と並べて九弁に収めている。黒漆の層の間に朱漆の層を7層をはさんだ厚い漆を、深く鋭く彫って引き締まった屈輪文を彫り出した優品である。