2023.8.01の展示
- 展示室・展示テーマ
- 1F
1F-1 彫刻
地蔵と閻魔
1F-2
閉室中
1F-3
閉室中
1F-4
閉室中
1F-5 金工
錺りの美―仏をかざる―
1F-6
閉室中
2023.8.14は休館日です。カレンダー展示の詳細を表示する
2023.8.15は休館日です。カレンダー展示の詳細を表示する
2023.8.21は休館日です。カレンダー展示の詳細を表示する
- 展示室・展示テーマ
- 2F
2F-1
閉室中
2F-2
閉室中
2F-3
閉室中
2F-4
閉室中
2F-5
閉室中
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
-
魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地獄・鬼・天狗
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
絵巻|2F-1展示室
仏や極楽の世界と対極にある、禍々しい地獄。あるいは罪人を罰する鬼や、仏教を妨害する天狗。これらは古の人々にとって切実に、圧倒的に恐ろしく、否が応でも仏教への信仰心が高められたに違いありません。しかし、恐ろしさゆえに人間の想像力は刺激され、さまざまなイメージや説話が豊かに生み出されることにもなったのです。やがて、鬼や天狗は仏教に屈する存在として、滑稽で親しみやすい姿へと変化していきました。今回の絵巻をみると、もともと怖いはずのものが少し情けない姿になることの面白さは、昔も今も変わらないことがわかります。

重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中(部分) 滋賀・明王院
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 沙門地獄草紙 飛火地獄 1巻 国宝 病草紙 痔瘻の男 9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 毛虱
(7月19日~7月30日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 国宝 病草紙 小舌の男
(8月1日~8月20日展示予定)9巻のうち1巻 京都国立博物館 重文 光明真言功徳絵詞 三巻のうち巻中 3巻のうち1巻 滋賀・明王院 重文 是害房絵巻 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都・曼殊院
最近の文化財修理事情
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
仏画|2F-2展示室
文化財の修理は、専門化が進み、その費用も高騰しています。国や地方公共団体の指定品は行政の補助金制度を利用できますが、それでも所有者が自己資金を用意しないと修理は実施できません。そのためには、文化財の価値と費用を含めた修理の妥当性について、所有者の理解が必須となります。博物館の寄託作品の場合、学芸員が修理の必要性を見極め、所有者と相談し、修理実現に向けて一緒に動く必要があります。資金問題を解決するために、ファンドの助成やクラウドファンディングを利用することも増えています。ですので、修理の実現には何年もかかる場合がありますが、事業を通じて所有者や応援の方々と新しい絆ができ、それは博物館の無形の財産となっています。

日吉山王本地仏曼荼羅図 京都當道会
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 日吉山王本地仏曼荼羅図 1幅 京都當道会 日吉山王垂迹神曼荼羅図 1幅 京都當道会 重文 孔雀明王像 1幅 京都・安楽寿院 重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図 1幅 京都・安楽寿院 五大尊像 1幅 京都・安楽寿院 重美 仏涅槃図 土佐守入道法名経光筆 1幅 京都・興聖寺 地蔵菩薩像 1幅 京都国立博物館
禅宗と観音図Ⅰ
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 京都・真珠庵
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 重文 十一面観音図 宗峰妙超賛 1幅 京都・真珠庵 重文 白衣観音図 徹翁義亨賛 1幅 京都・真珠庵 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 白衣観音図 足利義持筆 1幅 京都・長得院 白衣観音図 明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 白衣観音図 伝無学祖元賛 1幅 大阪市立美術館 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 等禅筆 1幅 白衣観音図 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
修理が完了しました
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
近世絵画|2F-4展示室
私たちよりも遥かに長い時間を生きる文化財には、ときどき修理という名のリフレッシュが必要です。経年劣化・虫菌害・物理的ダメージなど、文化財が被る損傷はさまざまですが、適切なタイミングで修理を行い文化財を未来へ伝えていくことも、ミュージアムの大切な使命なのです。
ここでは、近年修理が完了し、健康を取り戻した寄託品をご紹介します。長谷川等伯、海北友松の作品は修理後初公開です。これから新しい歴史を歩んでゆく文化財の門出を、どうぞお見逃しなく。

重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 京都・本法寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 車争図屏風 土佐光茂筆 6曲1双 京都・仁和寺 重文 唐獅子図屏風 伝狩野山楽筆 4曲1隻 京都・本法寺 薔薇図屏風 4曲1隻 京都・本法寺 重文 枯木猿猴図 長谷川等伯筆 2幅 京都・龍泉庵 雲龍図屏風 海北友松筆 6曲1隻 京都・勧修寺
中国絵画でいきもの観察
2023年7月19日(水)~8月20日(日)
中国絵画|2F-5展示室
対象をじっくり観察することは絵画制作の基本です。とても当たり前のようですが、ただ形を似せるだけではなく、生命が宿るような表現を獲得するには、大変な修練を必要とします。鋭い観察眼を養い、本質をとらえる眼をもった画家の絵は、一見ささっと描いたような自由な表現であっても、鑑賞者であるわたしたちの心に響く力強さを持っています。
この展示では、中国の画家が描いた、身近な存在である動植物の絵を中心にご紹介します。画家たちのまなざしは、いったいどのような表現を導いたのでしょうか。色や形だけでなく、筆づかいや墨のにじみも魅力的です。夏休みの宿題にもぜひお役立てください。

鵞伏図 徐悲鴻筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 柘榴木鼠図 松田筆 1幅 重文 草虫図 2幅 京都国立博物館 花鳥図 孫師昌筆 1幅 京都国立博物館
(藤原忠一郎氏寄贈)倣惲寿平藻魚図 盛惇大筆 1巻 京都国立博物館 百果図巻 張大千筆 1巻 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)花卉図冊 斉白石筆 1冊 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)鵞伏図 徐悲鴻筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)後園図 方人定筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)母愛図 陳之仏筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
- 展示作品リスト
日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
- 展示作品リスト
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
縄文土器と土偶
2023年6月20日(火)~9月10日(日)
考古|3F-2展示室
日本における土器の使用は古く、約16,000年前に遡ります。縄文土器は煮炊き用の深鉢から始まり、貯蔵用の土器、盛付けや食器用の浅鉢や皿、酒など液体を注ぐ注口土器、そして祭祀用の土器など、生活や用途に合わせて様々な器がつくられました。また、実用的な土器でも、大きな突起があったり、複雑な文様を施したり、変化に富んだ造形が特徴です。そうした日常の道具に加え、祈りの道具として土偶があります。土偶の多くは女性をかたどっており、豊かな実りや子孫繁栄を願ったと考えられます。本展示では縄文土器と土偶を中心に縄文文化の魅力を紹介します。

注口土器 伝青森県出土 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 深鉢
青森県八戸市南郷出土1個 京都国立博物館 深鉢
岩手県出土1個 浅鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 長者ヶ原遺跡出土品
新潟県糸魚川市長者ヶ原遺跡出土1括 京都国立博物館 硬玉(ヒスイ)製大珠
出土地不明2個 有孔鍔付土器
出土地不明1個 京都国立博物館 深鉢
東京都東久留米市出土1個 京都国立博物館 深鉢
埼玉県川口市石神貝塚出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県出土1個 京都国立博物館 注口土器
青森県出土2個 京都国立博物館 壺
出土地不明3個 京都国立博物館 打製石器(石鏃・石錐・石匙ほか)
日本各地出土1括 磨製石斧
日本各地出土1括 石冠
岐阜県北部出土4個 京都国立博物館 御物石器
奈良県奈良市大森町出土1個 京都国立博物館 石皿・磨り石
岐阜県高山市出土1括 独鈷石
岐阜県北部出土1括 京都国立博物館 石棒・石剣
出土地不明1括 京都国立博物館 遮光器土偶
出土地不明1括 京都国立博物館 ミニチュア土器
出土地不明2個 京都国立博物館 石製装身具
日本各地出土1括 結髪土偶
出土地不明1個 深鉢
出土地不明1個 京都国立博物館 注口土器
出土地不明1個 注口土器
伝青森県出土1個 京都国立博物館 深鉢
長野県飯田市風越遺跡出土1個 壺
青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土1個 京都国立博物館 台付鉢
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 壺
青森県北津軽郡板柳町土井遺跡出土1個 縄文土器片
京都府舞鶴市由良川川底出土1括 京都国立博物館 上賀茂遺跡出土品
京都市北区上賀茂遺跡出土1括 京都・賀茂別雷神社 壺形土器
広島県山県郡北広島町川井出土1個 弥生土器
大阪府柏原市船橋遺跡出土5個 京都国立博物館 銅剣
大分県大分市浜出土2口 京都国立博物館 銅戈
熊本県菊池郡大津町真木西都留出土1口 京都国立博物館 銅矛
大分県臼杵市下北津留坊主山出土1口 京都国立博物館 重美 流水文銅鐸
京都府与謝郡与謝野町明石出土1口 京都国立博物館 重文 銅鐸
京都府与謝郡与謝野町比丘尼城出土1口 京都・梅林寺 重文 東之宮古墳出土品
愛知県犬山市東之宮古墳出土1括 京都国立博物館 重文 富雄丸山古墳出土品
奈良県奈良市富雄丸山古墳出土1括 京都国立博物館 須恵器 台付広口壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 金製垂飾付耳飾
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 須恵器 装飾付脚付壺
兵庫県たつの市西宮山古墳出土1個 京都国立博物館 重美 埴輪 男子
群馬県太田市出土
(8月1日~9月10日展示予定)1個 京都国立博物館 帯金式鋲留甲冑
衝角付冑(上)・頸甲(中)・短甲(下)
京都府相楽郡和束町原山古墳出土
(6月20日~7月30日展示予定)1具 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県奈良市山村廃寺出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村川原寺跡出土1個 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 蓮華文方形軒瓦
滋賀県大津市南滋賀廃寺出土1個 素弁九葉蓮華文軒丸瓦
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺出土1個 重弧文軒平瓦
京都府綴喜郡宇治田原町山瀧寺跡出土1個 京都国立博物館 素弁十葉蓮華文軒丸瓦
奈良県高市郡明日香村飛鳥寺出土1個 京都国立博物館 単弁八葉蓮華文軒丸瓦
奈良県桜井市山田寺跡出土1個 京都国立博物館 偏行唐草文軒平瓦
奈良県橿原市藤原宮跡出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府京田辺市三山木廃寺出土1個 京都国立博物館 複弁八葉蓮華文軒丸瓦
京都府木津川市恭仁宮跡出土1個 京都国立博物館 均整唐草文軒平瓦
京都府綴喜郡井手町井手寺跡出土1個 京都国立博物館 重圏文軒丸瓦
大阪府大阪市中央区難波宮跡出土1個 鬼瓦
京都市平安宮豊楽院跡出土1個 重文 鬼瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 緑釉蓮華文軒丸瓦
京都市平安宮跡出土1個 重文 緑釉唐草文軒平瓦
京都市平安宮跡出土1個 京都国立博物館 軒丸瓦・軒平瓦
京都市南区西寺跡出土2個 軒丸瓦・軒平瓦
京都市上京区法成寺跡出土2個 京都府立鴨沂高等学校 軒丸瓦・軒平瓦
京都市東山区法性寺跡出土2個 京都国立博物館 重文 緑釉骨蔵器
京都市山科区勧修寺北大日出土
(6月20日~7月30日展示予定)1口 京都国立博物館 蔵王権現懸仏
出土地不明
(8月1日~9月10日展示予定)1面 京都国立博物館 青銅経筒 寿永三年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒 建久七年銘
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅鍍金銀経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 青銅経筒
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 銅円盤(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土2面 京都国立博物館 銅和鏡(経筒底)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1面 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 陶製甕(外容器)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1口 京都国立博物館 すり鉢
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 鉄刀子(納入品)
秋田県湯沢市松岡経塚出土3口 京都国立博物館 銅銭(洪武通宝)
秋田県湯沢市松岡経塚出土1個 京都国立博物館 馬町十三重石塔納入品
京都市東山区常磐町出土1括 重文 線彫四面仏石 1基 京都・今宮神社
異国の仏教説話
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
絵巻|2F-1展示室
大陸からもたらされた仏教は、いかに日本に根付いたとしても、ある側面においては異国の宗教としてあり続けました。日本の僧侶たちはインドや中国に憧れ、釈迦をはじめとする高僧の足跡を辿ることを夢見ました。しかし、現実に大陸へ渡ることができたのは一握りの人々でしたので、ほとんどの場合は文献を読んで想像を巡らせるしかありません。ただ、絵巻では、思い描くしかなかった異国の風景を、そして高僧の活躍する姿を、目の当たりにすることができます。その期待に応えるべく絵師が苦心して描き出した「異国」の物語を、どうぞご覧ください。

国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 四巻のうち巻三(部分)
京都・高山寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 羅什三蔵絵伝 1巻 国宝 華厳宗祖師絵伝 四巻のうち巻三
義湘絵4巻のうち1巻 京都・高山寺 重文 真如堂縁起 三巻のうち巻上
詞書:後柏原天皇宸翰 絵:掃部助久国筆3巻のうち1巻 京都・真正極楽寺
地蔵と十王
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
仏画|2F-2展示室
僧侶の姿をした優しい姿の地蔵菩薩と、いかにも地獄の裁判官にふさわしい恐ろしい顔立ちの十王とは、まったく共通点がないようでいて、関係が大ありです。十王とは、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)、百ヶ日、一周忌、三回忌の節目毎に死者の生前の行いを審判する10人の冥府の王を指します。インドの仏教においては、臨終から7日ごと、7週にわたって法要が行われていました。これが現在の葬送にも引き継がれている四十九日です。仏教が中国に伝わった後、中国で行われていた葬送儀礼がミックスされ、ローカル化していきます。中国にはもともと儒教があり、百日忌・一周忌・三回忌は儒教の服喪期間の名残です。更に道教もあり、その冥府信仰と習合していきます。
日本はこの中国の十王信仰を受け入れ、平安時代後期には更に日本化されて、『地蔵十王経』という偽経が作られました。ここで地獄の救済者としての地蔵と十王が結びついた信仰が確立します。特に十王のうちの閻魔王は、地蔵菩薩の姿を変えた存在と考えられました。閻魔王は罪を憎んで苛烈な審判を下す反面、地蔵は人を憎まず地獄に落ちた者にも地獄に分け入って慈悲を垂れるのです。

地蔵菩薩像(壬生地蔵) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 当麻曼荼羅図 1幅 京都国立博物館
(堂本四郎氏寄贈)十王図 10幅 兵庫・清澄寺 地蔵菩薩像(壬生地蔵) 1幅 京都国立博物館 重文 六地蔵図 1幅 京都・上品蓮臺寺 重美 地蔵菩薩像 1幅 京都・長福寺
禅宗と観音図Ⅱ
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中世絵画|2F-3展示室
中世以来、禅宗は新たな海外文化を日本にもたらしてきました。大陸風の仏画を用いた独特の行事や水墨画は代表的なもので、特に禅寺では智慧や慈悲を象徴する観音菩薩を大変重んじ、多くの儀式にその絵や経典が登場します。とりわけ清々しい白衣観音図は、禅僧の周辺で早くから膨大に描かれた主題で、日本の水墨画の成熟にとって重要な役割を果たしました。
また観音のイメージは、水や海と結びついています。観音ははるか南海の補陀落浄土に降り立つとされ、貿易商や僧ら海を渡る人々の守護者ともなりました。日本には東アジアの様々な観音図がもたらされており、そこに中世文化の国際性をみてとることが出来ます。

楊柳観音図 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 白衣観音図 一山一寧賛 1幅 京都・光明寺 千手観音図 中巌円月賛 1幅 千手観音図 1幅 京都・栗棘庵 楊柳観音図 1幅 白衣観音図 明兆筆 1幅 重文 白衣観音図 明兆筆 1幅 京都・天性寺 白衣観音図 伝明兆筆 1幅 白衣観音図 霊彩筆 1幅 京都・玉泉寺 楊柳観音図 1幅 京都国立博物館 重文 白衣観音図 春浦宗熙賛 1幅 京都・真珠庵 白衣観音図 1幅 京都・慈氏院 楊柳観音図 良敏筆 1幅 白衣観音図 1幅 京都・南禅寺
生誕300年 池大雅
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
近世絵画|2F-4展示室
池大雅(1723~76)は、京都銀座の下級役人の子として生まれました。幼い頃に父を亡くし、生活のために書画を制作するようになった大雅は、新来の中国文化に関心を寄せる知識人たちの支持を得て持ち前の才能を開花させ、当代きっての人気画家・書家として活躍しました。その作品には、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を反映するような、清新でおおらかな明るさが満ちています。
当館では2018年に大規模な大雅展を開催しましたが、生誕300年という節目の年に、あらためてその魅力をご紹介いたします。

重文 洞庭赤壁図巻(部分) 池大雅筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 前後赤壁図屏風 池大雅筆 6曲1双 文化庁 重美 西湖・関帝祭図屏風 池大雅筆 6曲1双 重文 洞庭赤壁図巻 池大雅筆 1巻 京都国立博物館 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 京都国立博物館
中国山水画の世界
2023年8月22日(火)~9月18日(月・祝)
中国絵画|2F-5展示室
中国絵画の歴史で、最も重要な発展を遂げてきたのは山水画といってよいでしょう。それは単なる風景のスケッチではなく、東洋の自然観、世界観を内包する神秘的な姿であらわされてきました。四季や天候とともに表情を変える山容、土地のエネルギーが沸きあがるようにそりたった頂。そして、山の奥深くから生じ、流れをあつめてやがて大河となる水をたたえた山水景観は、中国の画家たちに霊感(インスピレーション)を与え続けてきました。
この展示では、明末から近代にいたる山水画をあつめてご紹介します。伝統的なスタイルを踏襲するもの、西洋的技法を取り入れて新たな表現を拓いたものなど、多彩にあらわされた山水の世界をお楽しみ下さい。

烟江畳嶂図 高剣父筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 画法巻 孫廷甫筆 1巻 京都国立博物館 鳥花山水図 陳箴筆 1幅 京都国立博物館 倣黄公望山水図 王鑑筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)岑蔚居産芝図 呉歴筆 1幅 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)臥遊図冊 銭杜ほか筆 1冊 京都国立博物館 墨筆山水図 戴煕筆 1巻 京都国立博物館
(上野精一氏寄贈)夏山白雲図 葛孝彝筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)宋法山水図 斉白石筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)烟江畳嶂図 高剣父筆 1幅 京都国立博物館
(須磨弥吉郎氏収集・須磨未千秋氏寄贈)
地蔵と閻魔
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」ですが、もともとは盂蘭盆会といい、その源流はインドにあります。この日は祖先の供養をする日ですが、地獄の釜が開く日ともいわれています。その地獄をつかさどるのが閻魔大王です。閻魔は本来インドの地獄の神ヤマでしたが、中国で道教の神々と習合して閻魔を中心とする十王という考えを生みました。生前のおこないを裁く、地獄の裁判官たちです。それが日本へも伝えられて様々な信仰を生み、それとともに地獄からの救済者である地蔵菩薩も信仰を集めました。今回は常念寺(木津川市加茂町)の十王像とともに、大小様々な地蔵菩薩像を展示いたします。恐ろしい地獄へと思いをはせつつ、日ごろのおこないをふりかえってみてはいかがでしょうか。

重文 厨子入千体地蔵菩薩像 京都・報恩寺
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日本の彫刻
2023年6月13日(火)~9月18日(月・祝)
彫刻|1F-1展示室
江戸時代までの日本の彫刻はほとんどが宗教的なものです。仏教を本格的に受容した7世紀以来、仏像の製作が盛んになりましたが、姿形はインドから中国を経由して伝わったため、それらの国の影響を受けています。
その中で日本彫刻の特色は、木を用いたものが多いこと、それに伴って寄木造、玉眼等独特の技法を発達させたことが挙げられます。
それぞれの時代に大陸の影響を受けて日本化することを繰り返したため、仏像の作風はさまざまです。
染めと織りの技法 刺繡
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
染織|1F-4展示室
ひと針ひと針、文様を繡いとる刺繡の営みには、いにしえより特別な想いがこもると信じられてきました。それは、人の手が根気よく繡いつめるという作業が、その単純な繰り返しゆえに、発願者あるいは製作者の祈りや願いを、より強く宿すと考えられてきたからです。そのため刺繡は、聖なる世界や芸能の舞台、あるいは晴れの場を彩る技法でした。
織物や染物のように綿密な事前準備をしなくても、刺繡は色や形を自在に表現することができます。さらに、刺繡糸の厚みは文様に立体感を与え、糸の運びは光と影をまとわせます。このたびの展示では、特別な場を飾ってきた刺繡の魅力を紹介します。

縞に菊折枝文様振袖(部分) 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 刺繍楊柳観音像 愚極智慧賛 1幅 京都国立博物館 刺繡釈迦阿弥陀二尊図 1幅 京都国立博物館 刺繡種子阿弥陀三尊図 1幅 京都・檀王法林寺 重文 刺繡三昧耶幡 17旒のうち1旒 奈良国立博物館 重文 刺繡種子幡 14旒のうち1旒 滋賀・石道寺 草花鳥文様打敷 1枚 滋賀・西教寺 胴箔花洲浜文様縫箔
前熊コレクション能楽資料のうち1領 文化庁 青海波に宝船文様長着 1領 花笠文様振袖 1領 京都国立博物館 縞に菊折枝文様振袖 1領 京都国立博物館 松藤瀧文様振袖打掛
淀藩稲葉家伝来品のうち1領 京都国立博物館
(稲葉正輝氏寄贈)花の丸文様打掛 1領 桜に源氏車波に鶴文様掛下帯 1筋 京都国立博物館
(小林初子氏寄贈)藤立涌に燕雁文様掛下帯 1筋 京都国立博物館 羽衣文様箱迫 1個 京都国立博物館 重文 松竹の嶋台に熨斗「寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菖蒲蓬躑躅に酒器「楽寿」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院 重文 菊に橘の手籠「千秋楽」文様掛袱紗 1枚 奈良・興福院
錺りの美―仏をかざる―
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
金工|1F-5展示室
日本美術の特質の一つに「かざりの表現」があります。幾何学的な文様表現だけではなく、自然物をモチーフとしつつも時に大胆な誇張や、記号的にさえ見える省略をすることであらゆるものを装飾するかざりの精神は古代から現代まで一貫して我が国の美術をつらぬいてきました。この展示では生活をかざり、武をかざり、信仰をかざる装飾の美をテーマに、きらきらしい金属工芸の名品をご紹介いたします。
第1回は神仏を荘厳する仏教工芸の数々をご高覧下さい。

重文 鉄釣燈籠 当館
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魅惑の唐物漆器
2023年8月2日(水)~9月10日(日)
漆工|1F-6展示室
唐物は、平安時代には中国唐王朝の洗練された文物を指しました。やがて、海の向こうからもたらされる珍しい品々を呼ぶ言葉へと変化します。唐が滅んでも、もとは区別されていた朝鮮半島の品々も、東南アジアさらには中東や西洋の産物も、他国からの輸入品は唐(から)の名のもとに珍重されたのです。唐物鑑賞のピークは室町時代です。中国の文人に憧れた将軍や僧侶たちが、財力に応じて舶載品を愛でました。江戸時代にもなると町の経済発展に伴い、唐物屋と呼ばれた輸入雑貨店に異国風に作られた日本製品も並びます。もはや産地不詳の品を含め、日本人が求めた異国情緒を示す漆器の数々をお楽しみください。

蒟醤宝珠形香合 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 黒漆楼閣人物螺鈿印籠 1合 京都・大徳寺 蒟醤煙草入 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)蒟醤宝珠形香合 1合 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)鳥獣文蒟醤箱 1合 唐鏡 1面 京都・本満寺 布袋唐子堆朱香合 1合 京都・東海庵 松下人物堆朱香合 1合 京都・龍光院 松樹人物堆朱香箱 1合 京都・知恩寺 牡丹文堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都・曼殊院 菊花堆朱香合 刻銘「楊茂造」あり 1合 京都国立博物館
(東京帝室博物館寄贈)木彫朱漆塗牡丹文合子 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都・東海庵 屈輪堆黒香合 1合 京都・両足院 屈輪堆黒香合 1合 屈輪堆黒香合 1合 京都国立博物館
(岡村健守氏寄贈)屈輪文堆黒輪花盆 1面 京都国立博物館 重文 椿尾長鳥文堆朱盆 刻銘「張成造」あり 1面 京都・興臨院 木彫朱漆塗屈輪文大香合 1合 京都・金蓮寺 木彫朱漆塗牡丹文大香合 1合 滋賀・聖衆来迎寺 牡丹唐草鳥螺鈿経箱 1合 京都・妙顕寺 黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵長方形卓 1基 白密陀山水楼閣人物漆絵箔絵盆 1枚 唐人物密陀絵箔絵茶箱 1合 独楽塗香合 1合 独楽塗盆 1枚 京都国立博物館
(廣海春木氏寄贈)独楽塗盆 1枚 京都・大雲院 黒漆楼閣人物螺鈿料紙・硯箱 1具 京都国立博物館
(吉田吉之助氏寄贈)梅竹螺鈿料紙・硯箱 1具 京都・両足院 花鳥人物螺鈿漆絵箔絵料紙・硯箱 1具 京都・両足院 楼閣山水人物堆朱料紙・硯箱 1具 奈良・長谷寺 唐人物堆錦料紙・硯箱 1具 京都・両足院