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同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。
重文 十二天屏風のうち風天
伝高階隆兼筆
滋賀・聖衆来迎寺
- 展示作品リスト
-
指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 十二天屏風 6曲1双 京都・雲龍院 重文 十二天屏風 伝高階隆兼筆 12幀のうち6幀 滋賀・聖衆来迎寺 十二天屏風 伝詫間澄賀筆 6曲1隻 京都・高山寺
松竹梅の美術
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中世絵画|2F-3展示室
厳寒の季節に美しい姿を誇る松、竹、梅は、東洋において広く愛されてきた木々です。古来、中国の文人たちは、冬にも緑を絶やさない松、剛直な竹、他の花に先がけて香り高く咲く梅、というそれぞれの個性を称えて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼び、そこに気高さと深い精神性を見てとりました。それらは詩文や書、水墨画といった文人的な営みにおいて高らかにうたい上げられ、日本では特に最も海外通で一流の文化人であった禅僧たちによって愛好され、次第に寿ぎのテーマとして社会に広く定着していきました。新春の中世絵画室では、日本の禅文化が育んだ、松竹梅の風雅にかかわる様々な作品をご覧いただきます。
重文 四季花鳥図屏風(部分) 芸愛筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 雪裡三友図 玉畹梵芳等五僧賛 1幅 京都国立博物館 重文 出山釈迦・梅花図 白雲恵暁賛 3幅 京都・栗棘庵 梅花図扇面 伝夢窓疎石所用 1面 京都・天龍寺 墨梅図 心田清播賛 1幅 京都・大統院 束帯天神像 天與清啓賛 1幅 京都・禅居庵 束帯天神像 元信印 1幅 松下渡唐天神像 狩野元信筆 1幅 京都国立博物館 重文 四季花鳥図屏風 芸愛筆 6曲1双 京都国立博物館
日本の女性画家
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
近世絵画|2F-4展示室
日本における女性の絵画制作については、記録上は平安時代にまで遡る事例が知られますが、実作品を通して本格的な職業画家としての活動を把握できる女性が登場するのは、江戸時代になってからのことです。一口に女性画家と言っても、彼女たちの置かれた社会的立場は一様ではなく、時に封建的な社会通念の制約を受けながら、それぞれに多彩な活動を展開しました。現在の一般的な知名度は必ずしも高いとは言えませんが、その魅力的な作品群は、確かに日本美術史の一翼を担っているのです。
塩都・揚州の繁栄と芸術―袁江・王雲筆「楼閣山水図屛風」
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
中国絵画|2F-5展示室
長江の下流域に位置する揚州は、水運交通の要所として古くから栄え、清朝に至っては塩の集積地として空前の経済活況を呈しました。揚州の繁栄は各地から人を集め、芸術の都としても華やぎをみせます。巨富を築いた塩商がパトロンとなり、書画家や詩人などの文化人を招いたサロンが数多く営まれました。この度ご紹介する「楼閣山水図屛風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」は、康煕59年(1720)に揚州で制作された大画面の作品です。袁江と王雲という二人の画家によって描かれた壮麗な8曲1双の屛風は、中国で仕立てられたままの姿で残されている非常に貴重な例です。かつて揚州の大邸宅を彩ったであろう大作を心ゆくまでご堪能下さい。
楼閣山水図屛風(部分) 袁江筆 当館
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 楼閣山水図 王雲筆 1幅 京都国立博物館
(田能村こま氏・田能村輝氏・
板倉光世氏・中岡愛子氏寄贈)楼閣山水図屛風 袁江筆 8曲1隻 京都国立博物館 楼閣山水図屛風 王雲筆 8曲1隻 京都国立博物館
京都の仏像・神像
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
彫刻|1F-1展示室
千年のみやこ京都では、いつの世にも仏像、神像がつくられてきました。残念ながら戦乱や天災などで失われてしまったものもありますが、今も数多くの像がつたえられています。弘法大師空海に代表される入唐僧によって中国より密教がもたらされた9世紀から、鎌倉新仏教と称されるあらたな仏教にもとづく造像まで、ひとくくりに仏像といっても、そのすがたはさまざまです。仏像のほか、神像、動物、高僧のすがたなど、さまざまな像が造られました。京都に伝えられてきたヴァラエティあふれる彫刻をご覧ください。
国宝 五智如来坐像 京都・安祥寺
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 国宝 五智如来坐像 5躯 京都・安祥寺 重文 地蔵菩薩立像 院浄作 1躯 京都市 国宝 四天王立像のうち 多聞天立像 1躯 京都・浄瑠璃寺 金剛力士立像 2躯 京都・愛宕念仏寺 阿弥陀如来立像 1躯 京都・正法寺 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・白山神社 重文 十一面観音菩薩立像 1躯 京都・勝龍寺 重文 善妙神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 白光神立像 湛慶作 1躯 京都・高山寺 重文 千観坐像 1躯 京都・愛宕念仏寺 深山正虎坐像 初代清水隆慶作 1躯 京都・市川車僧保存会 女神坐像 2躯 京都・市比賣神社 男神坐像 1躯 京都・薭田野神社 重文 獅子・狛犬 1対 京都・八坂神社
墨蹟―禅僧の書
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
書跡|1F-3展示室
「墨蹟」とは僧侶、とくに禅僧の記した筆跡のことをいいます。その種類は、内容によって印可状、あるいは法語や遺偈など、多岐にわたります。いずれもが禅の歴史や思想を知るうえで、欠かすことのできない重要な文化財です。これらを造形的な「書」としてみると、「古筆」のような優美さや繊細さとは異なる、重厚さ、鋭さを備えているのが大きな特徴といえるでしょう。どうぞ、墨にこめられた「力」を存分に味わってください。
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 重文 東福寺修正看経榜 上巻 固山一鞏筆 2巻のうち1巻 京都・東福寺 道号「空谷」 夢窓疎石筆 1幅 京都・慈済院 重文 道号「檀渓」 虎関師錬筆 1幅 学校法人立命館 国宝 道号「月林」 古林清茂筆 1幅 京都・長福寺 国宝 道号「関山」 宗峰妙超筆 1幅 京都・妙心寺 額字「正伝禅寺」 2幅 京都・正伝寺 国宝 禅院額字并牌字のうち
額字「首座」「書記」「浴司」「三応」 張即之筆4幅 京都・東福寺 重文 仏説四十二章経 蘭渓道隆筆 1巻 京都国立博物館 重文 古林和尚碑文 竺仙梵僊筆 1巻 京都・長福寺
特別公開 名刀再臨 ─時代を超える優品たち─
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
金工|1F-5展示室
この度、京都国立博物館は重要文化財の刀剣3口を含む貴重な文化財の寄贈と寄託を受けました。これら3口の重要文化財は、日本刀の主要産地である山城・備前・備中を代表する名工の作品であるにもかかわらず、いずれも半世紀近く一般に公開されたことのない知られざる優品です。当館ではこの再発見を記念し、新春の名品ギャラリーで特別公開を行います。展示を通して我々国立博物館が行っている文化財保護活動と、国民の宝である文化財の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。
※展示作品リストは11月頃、公開いたします。
同時開催の名品ギャラリー特別展観覧料が必要
京焼における仁清―御室仁清窯出土陶片の胎土分析からみる製陶技術―
2025年1月2日(木)~ 3月23日(日)
陶磁|3F-1展示室
正保年間(1844~1848)の初め頃、仁和寺の門前に御室窯を開窯した陶工の野々村仁清(ののむらにんせい)は、茶壺や茶碗などに赤、紺、緑、紫、黒などの絵の具、金銀彩を用いて絵画性が強く、洗練された上絵付を施したやきものを作り出しました。上絵付をはじめ、仁清の製陶技術は尾形乾山をはじめ、その後の京焼の陶工たちにも大きな影響を与えています。今回は仁清や同時代、そしてその影響を受けたやきものや御室仁清窯跡から出土した陶片を展示すると同時に、胎土分析などの科学分析から明らかとなってきた御室窯の製陶技術などについても紹介します。
日本の須恵器と韓国の陶質土器
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の古墳時代を代表するやきものは「須恵器」と呼ばれる灰色で硬い土器です。5世紀はじめ頃に朝鮮半島からその製作技術が日本列島に伝来したとされます。
今回の展示では、その須恵器とともに朝鮮半島古代の新羅で製作された陶質土器を展示し、その親縁関係を理解していただきます。また、韓国慶州出土の古代瓦もあわせて展示します。
日本の考古資料
2024年1月2日(木)~ 3月23日(日)
考古|3F-2展示室
日本の歴史をさまざまな考古資料からご紹介します。考古資料の多くは遺跡から出土したものです。祀りや儀式などに使う特別な道具もあれば、当時の人々が日常的に使っていた品々もあります。考古の展示を通して、その時代を生きた人々の暮らしや想いを身近に感じていただければと思います。
神々の伝説—八幡・厳島—
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
絵巻|2F-1展示室
日本各地に鎮座する、大小幾多の神社。それぞれに自然や祖先、怨霊が祭祀され、地域の鎮守や、家門の繁栄などへの願いが託されてきました。八幡宮は武運の神として尊崇される八幡神を祀る神社で、大分・宇佐神宮を総本宮として全国に数多く所在しており、京都では石清水八幡宮が有名です。また、宗像三女神を祀る広島・嚴島神社は推古元年(593)の創建と伝えられ、平清盛や毛利元就の庇護により発展しました。今回は、それぞれの創立にかかわる伝説を語る縁起絵巻をご紹介します。
重美 厳島縁起絵巻(部分)
- 展示作品リスト
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指定 作品名 員数 所蔵 音声ガイド 八幡宮縁起 二巻のうち巻上 2巻のうち1巻 京都国立博物館 厳島縁起絵巻 1巻 重美 厳島縁起絵巻 1巻
十二天屏風の世界
2025年1月2日(木)~ 2月9日(日)
仏画|2F-2展示室
十二天屏風は、密教の灌頂という儀式で使用されたものです。灌頂とは頭に水を注ぐという意味で、昔のインドの国王即位の際の儀式に倣っており、密教が受法の通過儀礼として取り入れたものです。十二天は、もとはインドの神様で各方位にあって神聖な道場を守る存在です。しかし、これを灌頂の儀式で祀ることは、日本で考案されたと考えられます。加えて、こうした屏風の形式が生み出されるのは、12世紀に入ってからのことになります。もともと坐像でしか表されなかった十二天の姿を立像で表したのは、この屏風の形式に合わせるためです。その意味で日本での創作仏画と言えますが、当時最新の中国の様式を取り入れた斬新な姿で表されています。