仏画
山水屏風は真言宗の密教で灌頂(かんじょう)(仏弟子になるときの儀式)を行なうとき、その道場で用いられるが、本来は平安貴族の邸宅で用いられたものらしい。この屏風は、広々とした風景の下方に、草堂に隠棲して詩作にふける老翁と、それを訪問する貴公子の主従を描いている。平安時代に流行した唐絵(からえ)の珍しい例で、登場人物はすべて唐風に描かれているが、この老翁こそ中国唐代の詩人白楽天であろうと考えられている。しかし、絵画技法の上からみると、人物・山・水・樹木・岩石など、すべて温和で情趣的な日本化の傾向が著しく、平安時代後期の制作と思われる。
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