仏画
この水天像は、平安時代以来、宮中の真言院で毎年正月に行なわれた修法に用いるため、大治2年(1127)に制作された十二天画像のうちの1つである。
十二天は、八方位と上下二方、それに日月を加えた方位を守護する神々。西方位に当る水天はヴァルナといい、インドのヴェーダ神話に登場する古い神格である。
暗い背景からほの白く浮びでる水天の姿は、水の精のごとく優美で、着衣の彩色も柔らかく華やかである。とくに膝の部分には、周辺を明るくぼかす照暈(てりぐま)に、細く切った金箔からなる繊細な截金(きりかね)文様が置かれる。仏画の最盛期の作品にふさわしい典雅な趣きをみせている。
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