考古
白銅製の良質の鏡で鏡背の文様がきわめてすぐれている。文様は内区と外区から構成されるが、縁には菱雲文、その内側に禽獣を配する。内区の外側には半円、方形帯が交互に配置され、方形内には「吾作明鏡 幽錬三商」で始まる銘文が鋳出される。内区の主文様は、紐の周りに4つの乳を配し、4頭の獣が置かれ、獣の間には仏像が配される。仏像は蓮華文の光背をもつ主像に左右に座像の仏を従えるものと、光背をもつ座像の主仏の脇に立像を従える仏たちがそれぞれ相対している。神像のかわりに仏像を配した鏡は、日本ではわずかに6例ほどが古墳などから出土例として知られる。本鏡は、出土地が明らかでないが、箱書に「河内国金剛輪寺」と記され、この付近からの出土と考えられる。
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