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書跡
国宝
浄名玄論 巻第四じょうみょうげんろん かんだいよん
基本情報
- 8巻の内
- 紙本墨画
- 縦28.0cm 長580.5cm
- 飛鳥時代 慶雲3年(706)
- 京都国立博物館(B甲671)
『浄名玄論』8巻は、中国隋代に於て三論宗の教学を大成した嘉祥大師吉蔵(549~623)が著わした『維摩経』の研究書である。この写本は、巻第四と巻第六に慶雲3年(706)12月の奥書を有しており、紀年をもちいて書写年代を明らかにした我が国最古の仏典で、古写経史上稀覯の遺品として夙に有名である。ただ8巻のうち、巻第一は平安時代、巻第二と巻第五は鎌倉時代の補写本であり、巻第七と巻第八を除いた他の3巻も巻首が補写されている。
六朝風の趣を湛えた書体は書道史の上でも貴重であり、加えて各巻に付されている訓点類は国語学の上からも注目される。