彫刻
教王護国寺に伝来したわが国最古の行道(ぎょうどう)面の1つ。現存する7面は長保2年(1000)の同寺宝蔵の火災に取り出された十二天面に当るものと思われ、3面は桐材、4面は檜材で造られている。面裏には墨書で、同寺塔供養のため、応徳3年(1086)と建武元年(1334)の再度にわたって修理した由が記され、現在の彩色はおそらく後者の時期に更新されたものであろう。梵天面はやや面長(おもなが)で、瞼(まぶた)や頬に柔らかい膨らみをみせ、眼は小さく伏し眼がちに、唇小さく、総じて夢幻的な情感を漂わせている。10世紀末ごろ、仏師定朝(じょうちょう)の父といわれる康尚(こうじょう)が活躍していた時期の作風にきわめてふさわしい。
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