彫刻
浄瑠璃寺の九体阿弥陀堂に他の3天像とともに安置されるが、いずれもこの堂内ではやや大きに過ぎ、元来はほかの堂にあったものだろう。
衣と甲(よろい)には彩色と截金(きりがね)の華麗な文様があるが、この期の京都の仏像にはあまりない種類のものが多く、しかも大振りである。体をゆるく捻(ひね)って動きを見せ、衣も翻(ひるがえ)る持国・増長・広目の3天像に対し、多聞天像だけは直立の静的なポーズをとる。ほかに技法や作風あるいは文様表現の上からも両者相違する点が多いので、前3者が12世紀に入ってからの作なのに対し、本像だけは11世紀後半に遡るようである。
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