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彫刻
国宝
多聞天立像たもんてんりゅうぞう
基本情報
- 1躯
- 木造彩色
- 像高167.0cm
- 平安時代後期 11~12世紀
- 京都・浄瑠璃寺
浄瑠璃寺の九体阿弥陀堂に他の三天像とともに安置されるが、いずれもこの堂内ではやや大きに過ぎ、元来はほかの堂にあったものだろう。
衣と甲(よろい)には彩色と截金(きりがね)の華麗な文様があるが、この期の京都の仏像にはあまりない種類のものが多く、しかも大振りである。体をゆるく捻(ひね)って動きを見せ、衣も翻(ひるがえ)る持国・増長・広目の三天像に対し、多聞天像だけは直立の静的なポーズをとる。ほかに技法や作風あるいは文様表現の上からも両者相違する点が多いので、3躯が12世紀に入ってからの作なのに対し、本像だけは11世紀後半に遡る可能性がある。