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2019年2月15日

特集展示「初公開!天皇の即位図」を見に行くリン♪

特集展示「初公開!天皇の即位図」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin

京博では、特集展示「初公開!天皇の即位図」がはじまったよ☆

2019年もたくさんの展示を企画しているから、そのときにしか見ることのできない作品もいっぱいだよ♪
我が家ながら、毎回自信を持って紹介したい展示ばかりだリン♪

毎年、春と秋に開催される「特別展」も、もちろん見どころ満載だけど、それ以外の期間に行われている京博の「名品ギャラリー(平常展示)」も、素晴らしい作品が様々なテーマで展示されていて、実はとーーーーーってもすごいんだリン!!

サラリと国宝が展示されていたりもするから
「ふぁー!美しい作品だリン!ふむふむ...国宝か...えっ?国宝?!
って、ボクは展示室でよく二度見しているよ☆

と、ボクも思わず自慢したくなってしまう「名品ギャラリー」を、今日は福士研究員といっしょに見て行こうと思うリン♪

福士研究員:今日もよろしくね。

torarin

トラりん:福士研究員☆
今日もいっしょに展示を見てくれて、ありがとリン♪
今回の特集展示は、「初公開!天皇の即位図」
...ん?
「初公開!」っっ?!!
今回の作品は、京博ではじめて見られるってことだよね?!
す、す、すごいリン!!

福士研究員:出ましたお約束の時間差びっくり、ありがとうございます。
いま展示している「霊元天皇即位・後西天皇譲位図屏風(れいげんてんのうそくい・ごさいてんのうじょういずびょうぶ)」は、最近になって世に現われた作品なんだよ。
江戸時代の天皇の譲位と即位を主題とした作品で、当時の儀式の様子を視覚的に知ることができる貴重なもの。
今年はちょうど春に譲位と即位を控えた時期ということもあって、展示を企画したんだ。
本当にいいタイミングで作品が出てきてくれたねえ(しみじみ)。

トラりん:そんなに貴重な作品を京博で初公開だなんて、すごすぎるリン!
福士研究員、やるリン!
「初公開!」を、大きめの声でアピールしていこう!

福士研究員:もう、トラりんてば。
大きい声出しておけばなんとかなる、なんて安易な...
それじゃあ、「 初公開!天皇の即位図」を早速展示室へ見に行こう!

torarin



トラりん:福士研究員が言っていた「初公開」の屏風はどこかなー?

福士研究員:こちらが、「霊元天皇即位・後西天皇譲位図屏風(れいげんてんのうそくい・ごさいてんのうじょういずびょうぶ) 狩野永納(かのうえいのう)筆」(通期展示)だよ。

torarin

トラりん:こっ...これがっ!!
大きい屏風だリン!
その中に、たくさんのひとがお行儀よく整列しているね☆

torarin

福士研究員:この屏風には、江戸時代中期の寛文3年(1663)に行われた霊元天皇の即位と、後西天皇の譲位の儀式が描かれているんだ。
同じように江戸時代の天皇の即位を扱った屏風はほかにも数点知られているけど数が少なく貴重なのに加え、この作品には類例のないとても大きな特徴があるよ。
トラりん、何だかわかるかな?

torarin

トラりん:大きな特徴??
うーん...なんだろう...あっ!
この中に混ざって、正座している虎がいるのかな?!
どこー?正座できる虎、どこー?!

福士研究員:即位図をよく見てごらん。
紫宸殿(ししんでん)のなかに高御座(たかみくら)があって、そこに座る霊元天皇の姿がはっきりと見えるね。
こんなふうに、顔も含めて明瞭に天皇の姿を描いた即位図はとても珍しいんだ。
数え10歳で即位した天皇にふさわしく、まだあどけなさの残る子供の姿で描かれているね。

torarin

トラりん:本当だ!
はっきりと描かれているリン!

福士研究員:それから、紫宸殿の南庭には居並ぶ公卿たちが描かれているのだけど、その外側に式を眺める庶民の姿が見えるね。
実は、当時は天皇の即位式は庶民にも公開されていたんだよ。

トラりん:天皇はなかなか見ることができない存在だったのかと思い込んでいたけど、みんなでいっしょに即位をお祝いしていたんだね☆

福士研究員:次の作品は、「御即位図(ごそくいず)(東京大学史料編纂所所蔵)」(前期展示)だよ。

※「御即位図」は2月17日(日)までの展示です。 2月19日(火)~3月10日(日)は、「御譲位図(ごじょういず)(東京大学史料編纂所所蔵)」を展示します。
(by 京博スタッフ)

torarin

トラりん:んん??
メモ紙のようなものに描かれた絵が何枚も集まって、ひとつの作品になっているように見えるリン...

福士研究員:これは、さっき見た屏風の模本、つまり別人の手によってそっくりに写されたもの。
この模本の方が先に知られていたところに、あとから屏風が出現したというわけなんだ。

トラりん:それは、大発見だリン!
でも、せっかく屏風が出てきたんだから屏風だけ展示すればいいような...
どうして、わざわざ写しをいっしょに展示しているの?

torarin

福士研究員:写しとあなどるなかれ。
この模本には、屏風そのものからは知ることができない、この模本だけから得られる情報があるんだよ。
一つは、原本の屏風ではすでに見えなくなってしまった文字情報
屏風には人名や建物などが書かれたたくさんの札が貼られていて重要なんだけど、虫食いや擦れで読めなくなってしまっているものもある。
それが、模本でははっきりと読むことができるんだ。

トラりん:それは貴重な情報だリン!
なぜ屏風を写したのかわからないけど、描いて残してくれた方に感謝だね!

福士研究員:もう一つは、原本の屏風の制作経緯や伝来を探るうえで鍵となる情報
模本には「是狩野縫殿助永納於/九條家図之畢」と書かれていて、屏風が九条家と何かしらの形で関わっていたらしいことがわかるんだ。
いまはまだはっきりとしたことは言えないけど、これからこの屏風のことを調べていくうえで重要な情報であることは間違いない。

torarin

トラりん:ミ...ミステリアス!
この先も楽しみだリン♪

福士研究員:さいごは、「礼冠(らいかん)(玉冠(ぎょっかん))(京都国立博物館所蔵)」(通期展示)。

torarin

トラりん:なんて美しくて立派な冠だリン!
か...被ってみたいリン...!!

福士研究員:変わった形の冠だけど、どこかで見覚えはないかな?
実は、屏風の中にこの冠をかぶった人たちが描かれているんだ。
これは礼冠といって、宮中での儀式の際に公家が着用するもの
はじめは色々な儀式で使われたのが、やがて即位の儀式の際にのみ用いられるようになったらしいよ。
着用する人の位によって、取り付けられた玉の色が違っていたんだ。

torarin

トラりん:とっても特別な冠だったんだね☆
それに、色が違うならわかりやすいリン...
いまも、えらいひとを色で見分けられたら怒られなくてすみそうだリン!
佐々木館長がやさしくてよかった=3

福士研究員:京博に、トラりんのことを怒るひとはいないもんね。

トラりん:時代ごとの「即位」について考える機会って、なかなかなかったけど...
今回の展示を通して、新しい発見や驚きがたくさんあったリン!

福士研究員:天皇の即位式というと、いまは一般には縁遠い儀式というイメージがあるけれど、江戸時代には庶民が見物して楽しんでいたんだね。
この機会に江戸時代の即位や譲位の儀式について知ってもらえればと思うし、描かれた庶民の中にまじって式を眺めるように展示を楽しんでもらえたら嬉しいな。

2人:\初公開っっ!!!/

torarin



福士研究員が魂を込めたリーフレットも、あわせて読んでもらえたらうれしいリン♪
展示作品すべての写真と解説が掲載されていて、まるで図録のようだリン!

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↓↓ダウンロードもできるよ!↓↓

特集展示「初公開!天皇の即位図」リーフレット(PDF版)
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特集展示 初公開!天皇の即位図
■会期:2019年1月30日(水)~ 3月10日(日)
※会期中、展示替えを行います。
 前期:2019年1月30日(水)~2月17日(日)
 後期:2019年2月19日(火)~3月10日(日)
■会場:京都国立博物館 平成知新館1F-4
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
■休館日:
月曜日
※ただし、月曜日が祝日・休日となる場合は開館し、翌火曜日を休館とします。
■開館時間:
火~木・日曜日:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
金・土曜日:午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで)

■観覧料:
一般  520円(410円)
大学生 260円(210円)
高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものをご提示ください)。
※( )内は20名以上の団体料金。
※大学生の方は学生証をご提示ください。
※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
 (*) 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳
※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと無料になります。
天皇陛下御在位30年を慶祝して、2019年2月24日(日)は無料観覧日といたします。トラりんも登場します。

■関連土曜講座:
   2月16日(土)午後1時30分~午後3時
  「天皇の即位図を読む」
   詳細はこちら

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