メニュー

BLOGBLOG

2020年12月アーカイブ

2020年12月25日

文化財保存修理所開所40周年記念 特別企画「文化財修理の最先端」を見に行くリン♪

文化財保存修理所開所40周年記念 特別企画「文化財修理の最先端」を見に行くリン♪

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin

ねぇ...知ってた...?

どうやら

_人人人人人人人人人_
> もう年末らしい <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

月日が経つのはあっという間で、気が付けば2020年も終わってしまうリン...
みんなにとって、どんな年だったかな?

ボクは、みんなと過ごすことが当たり前じゃなくなったり、遠くに住んでいるおともだちに展示を見てもらうことがむずかしくなってしまったり...

さみしい想いもたくさんしたけど、みんなといっしょに「2020年もいい年だった!」と言いたいリン!

うーん、でもどうしたらそう思って新しい年を迎えることができるかなぁ...
うーんうーん...(悩)

oohara-icon(大原研究員)
素晴らしい作品を見る!というのは、どうかな?

torarin

torarin-icon(トラりん)
大原研究員☆
それは名案だリンっ!
作品を見ると、心がきゅんきゅんしてうれしい気持ちになるリン♪
いま、京博では2021年1月31日(日)まで新春特集展示「丑づくし─干支を愛でる─」文化財保存修理所開所40周年記念 特別企画「文化財修理の最先端」を行っているよね☆
たくさんの作品の中からどんなおはなしを聞かせてもらえるのか、わくわくだリン♪

oohara-icon
それじゃあ、きょうは特別企画「文化財修理の最先端」をいっしょに見に行こう。
この特別企画は、京都国立博物館の敷地内に併設されている文化財保存修理所が、2020年に開所40周年を迎えたことを記念したもの。
近年の修復成果の中でも新発見をともなう、特に注目される作品を厳選して展示しているよ。
じつは、この展示、本当は今年の6月から開催する予定だったところ、夏の特別展「聖地をたずねて─西国三十三所の信仰と至宝─」と同じく会期を変更、いまようやく見てもらうことができて嬉しいよ。

torarin-icon
ボクのグッズは、げっと☆してくれると文化財の保存や修理に役立てられる(→文化財保護基金オンラインショップ)し(カリスマ販売員)、待望の展示ということで、2020年を締めくくるのにピッタリだね!
わくわくわくわく...
大原研究員、はやく素晴らしい作品を見たいリンンンンン!!

torarin-iconoohara-icon
\展示室に出発―♪/

torarin




oohara-icon
まずは、「重要文化財 兜率天曼荼羅図(とそつてんまんだらず)(京都・興聖寺所蔵)」と「阿弥陀浄土図(あみだじょうどず)(京都・海住山寺所蔵)」<2F-2>から見ていこう。
この二幅の仏画は、いまはそれぞれ別のお寺の所蔵となっているけど、修理の際に発見された軸木(じくぎ)の内側の墨書(ぼくしょ)から、かつては一対のものだったことが判明したんだ。
この発見については今年の2月に記者発表を行って、新聞でも紹介されたよ。

torarin

torarin-icon
えええええ!すごいリンっ!!
揃って見られる貴重な機会だね☆
「阿弥陀浄土図」は阿弥陀さまのいる極楽浄土かな、って何となく連想できるけど、
「兜率天曼荼羅図」は、どういう曼荼羅図なの?
曼荼羅図はボクも大好きだけど、たくさん種類があるよね!

oohara-icon
「兜率天曼荼羅図」は、弥勒菩薩(みろくぼさつ)が修行している兜率天を描いた曼荼羅。
修理前は剥落(はくらく)など相当傷んでいたけど、適切な修理によってかなり見やすくなったんだ。

torarin-icon
修行の風景だったのかぁ☆
こうして作品をじっくり楽しむことができるのも、修理のおかげなんだね!
ありがとリン♪
あああ...仏画を見ていると、心がスゥーとなってきれいになっていく気がするぅ...

torarin

oohara-icon
トラりんは、さすが獣(けだもの)だけあって、目がいいんだね。
僕なんか老眼で、細かすぎてよく見えない。
でも、こういう細かい描写とそれと相反するような広範なパースで描いているのがこの絵の特徴で、平安時代の終わりから鎌倉時代の初めに結構流行したスタイルなんだ。
それもそのはず、この絵は、この時期に活躍した貞慶(じょうけい)というお坊さんにゆかりのものということが軸木や文献記録からもわかったんだ。
貞慶の十三回忌に新しく建てられた海住山寺経蔵(現文殊堂、重要文化財)に、対で安置されていたと考えられるよ。
制作年代がわかったおかげで、基準作として他の絵を見るときにも参考になる、とても重要な発見だよ。

torarin-icon
ろうがん??

oohara-icon
さて、おつぎは「石燈籠図屏風(いしどうろうずびょうぶ) 伊藤若冲筆(京都国立博物館所蔵)」<2F-3>だよ。

torarin

torarin-icon
あっ!
チラシで見た作品だリン♪
でも...伊藤若冲りんが描いた絵だったの?!!
だって、ほら...いつも色使いが鮮やかでしょ?
こちらの作品は、伊藤若冲りんのイメージとは正反対だリン...

oohara-icon
若冲は秋の特別展「皇室の名宝」で展示されていた動植綵絵がとても有名だけど、トラりんの好きな水墨画も含め、いろんな作品を残しているよ。
むしろ、通は水墨の分野こそ若冲のよさを示していると考える。
トラりんはこの絵を見て気づいたことはない?

torarin

torarin-icon
石燈籠が...点々で描かれている...?

oohara-icon
そのとおり!君もなかなかできるトラだね。
この絵の石燈籠と石柵は点描で描かれていて、その点描に微妙な濃淡(のうたん)をつけることで立体感を出しているんだね。
この墨の濃淡の違いは「ヴァルール」というんだけど、光と影の効果と類似しているよ。
そして、光と影は、ものの立体感の認識に大きな影響を与えている。
若冲という人は、彩色画では塗り絵みたいな感じで描いているけど、水墨画だと不思議と立体把握の勘の良さが伝わってくるんだ。
おもしろいひとだね。
この作品は解体修理の際、縁裂(へりぎれ)(屏風の縁の裂)の下から若冲の手によるものと思われる墨書銘(ぼくしょめい)が発見されたんだ。
具体的な制作年などを考える上で大きな手掛かりとなる発見だね。

torarin-icon
いろいろな絵を、技術を使い分けて描くことができるんだね!
うううう!やっぱりすごいリンっ☆
若冲りんの美しい色づかいにいつもホレボレしていたけど、水墨画も描いていたとは...!
ボクは水墨画生まれだから、とってもうれしいリン♪

oohara-icon
まだまだ紹介したい作品がたくさんあるけど...
さいごは、「国宝 十二天像のうち風天(じゅうにてんぞうのうちふうてん)(京都国立博物館所蔵)」<1F-5>で締めよう。

torarin

torarin-icon
こ、国宝!
さらりと国宝が来たリンっ!!(京博あるある)

oohara-icon
この「十二天像」は、平安時代の宮中でお正月に行われた後七日御修法(ごしちにちのみしほ)という儀式のため、大治2年(1127)に制作されたもの。
豊かな色彩感覚と金箔を細く切った截金文様(きりかねもんよう)が美しい、貴族文化の爛熟(らんじゅく)を示す名品中の名品だよ。
日本の文化財は大半が絹や紙など、脆弱(ぜいじゃく)な有機物を素材としているため、約100年に一度は定期的な修理を行わなければ、どんどん劣化してしまうんだ。
この「十二天像」も、文書や記録から、15世紀と17世紀に修理が行われたことが判明している。
そして、江戸時代にはこの絵を大切に残すために、新しくコピーを作って、そちらを法会で用いるようになったよ。
修理は、後世に大切な古い作品を残すためのもの、けれども、傷んだオリジナルの代理を制作して大切にするということも行われた。
日本の自然が生み出した脆弱な素材を複合させてつくられた芸術作品、その特質をよく理解して保存してきた、その考え方や修復技術は、日本の自然が生み出した人文遺産そのもの言える、と僕は考えているんだ。

torarin

torarin-icon
文化財を守り・伝えていく文化は、むかしからあったんだね!
そのおかげで、いまもこうして作品の美しさを感じることができるリン☆
はあああああああ♪
素晴らしい作品たちのおかげで、心がきゅんきゅん♡
これで、みんなといっしょに2020年を無事に終えることができるリンっ!
大原研究員は、2021年3月27日(土)からスタートする特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」の準備ですごく忙しそうだけど、きょうもお話を聞かせてくれてありがとリン♪
そして、2020年もありがとリン♪

oohara-icon
いやいや、どういたしまして。
トラりんも今年1年お疲れ様。

torarin-iconoohara-icon
\良いお年を☆/

torarin




torarin-icon(カリスマ販売員)

_人人人人人人人人人_
> 図録もあるリン <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

_人人人人人人人人人人人_
>  2,200円(税込)  <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


torarin




おまけ☆

\コッテマスネー☆/

torarin




\おうちで楽しむ京博/
京博に来られないおともだちも、おうちで京博の展示を楽しんでもらえたらうれしいリン♪

展示関連動画「文化財修理の最先端ー絹本絵画の修理ー」
日本語版
英語版(English)
中国語版(Simplified Chinese)
韓国語版(Korean)


子ども向け解説シート「博物館Dictionary」
平成知新館でご覧いただける展示作品について、研究員が分かりやすく解説しています。
博物館Dictionary 221号「仏像はどうやって直すの? 彫刻作品の修理」
関連展示:特別企画「文化財修理の最先端」
2020年12月19日(土)~2021年1月31日(日)

博物館Dictionary 222号「これは本なの?」
 関連展示:陶磁展示室「日本と東洋のやきもの」
 2020年12月19日(土)~ 2021年2月28日(日)




文化財保存修理所開所40周年記念 特別企画
文化財修理の最先端

新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願いにご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
また、会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、京博ウェブサイトや公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。

■会期:2020年12月19日(土) ~ 2021年1月31日(日)
※会期中、一部の作品は展示替を行います。
■会場:京都国立博物館 平成知新館2F・1F-1、3~5
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
■休館日:月曜日(2021年1月11日(月・祝)は開館)、2020年12月29日(火)~2021年1月1日(金・祝)、2021年1月12日(火)
■開館時間:
 9:30~17:00(入館は16:30まで)
 ※夜間開館は実施しません。

■観覧料:
 一 般 700円
 大学生 350円
※本観覧料で当日の平成知新館の全展示をご覧いただけます。
※大学生の方は学生証をご提示ください。
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものをご提示ください)。
※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は無料です。
(*) 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳

※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと無料になります。

torarin

TOP
TOP