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2019年4月26日

特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」を見に行くリン♪
エピソードⅡ―全12巻公開

特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」を見に行くリン♪
エピソードⅡ―全12巻公開

こんにちリン!
トラりんだリン!

torarin

みんなー!
いま京博で開催中の特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」は楽しんでもらえているかな☆

特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」を見に行くリン♪エピソードⅠ―新発見 に続いて、この「虎ブログ」で展示の紹介をするのは2回目だリン♪

今日は、京博期待のホープ!!!井並研究員が作品を紹介してくれるよ!!

torarin

井並研究員:肩書が重い!

トラりん:だいじょうぶ☆
先に言っておけば、ふわっとそんな感じの方向に持っていけるリン!
ところで、井並研究員が「虎ブログ」に来てくれるのは久しぶりだね☆
ホープ研究員、よろしくたのむリン♪

井並研究員:名前みたいに呼ばないで!

torarin


トラりん:井並研究員!
今回の展示のタイトルにも入っている、「国宝 一遍聖絵(いっぺんひじりえ) 円伊(えんい)筆(神奈川・清浄光寺(遊行寺)所蔵)」のお話が聞きたいリン!

torarin

井並研究員:そうだね。
展覧会のチラシにも載っていたし、最初に目にとまる作品だよね。
この絵巻は、一遍さんの生涯を描いたもので、鎌倉時代の正安元年(1299)に完成したものだよ。
一遍さんが一生をかけて遊行をおこなったことはもう聞いたと思うけど、この絵巻には、その旅路として約700年前の日本各地の風景が描かれているんだ。
北は岩手県、南は鹿児島県まで、なんと全12巻。
全12巻を一度に見られるのは関西では17年ぶりの機会なんだ。
会期中、展示替および展示場面の変更を行うから、出品一覧・展示替予定表(PDF)でチェックしてみてね。

トラりん:もしかして、ここにある作品、ぜんぶ「一遍聖絵」?!
あれ...こっちにも続いているよー!!
こんなに長いんだね!
全体でも大迫力で楽しめるし、ひとつひとつで見ても美しいリン♪

井並研究員:総長約130m、電車なら7.5両分あるよ。
一遍聖絵の特徴は、もはや一遍が目立たないくらいに、風景を雄大に描くところ。
いっぽうで、地形から建築、人々の暮らしまで、ものすごく細かく、詳しく描いているよ。
トラりんの言う通り、全体を見ても細部を見ても楽しめる作品だね。

トラりん:しかも、壁にはパネルも貼ってあって親切だリン☆

torarin

井並研究員:展示室には、一遍さんの旅路の地図も設置しているよ。
一遍さんと旅をするつもりで順番通りに見てもよし、興味のある場所を地図とパネルで探して見つけるもよし。

torarin

トラりん:展示の仕方に工夫があったり、全巻揃ってみられるとっても貴重な機会だということはわかったけど...
「一遍聖絵」じたいは、どんなところがすごいの?

井並研究員:このころの絵巻は、鮮やかな絵具を用いた細密な「やまと絵」の技法で描くのがふつうだったんだ。
でも、この作品では、山肌や雲の表現、あるいは遠近法などに、墨のグラデーションやかすれを活かした「水墨画」の手法を取り入れている。
「水墨画」は、たとえば禅宗などと同じように、中国から入ってきた当時の最新文化のひとつ。
これによって、厳しさやわびしさの感じられる風景も含んだ、理想的なだけでない生々しい中世日本の景観が表現されている。
しかもその中に、ひとりひとり表情や仕草の異なった名もなき人々が無数に描きこまれていて、それぞれの暮らしを営んでいる。
絵師の円伊は、一遍の一生という筋の通った「物語」というより、それを通して、いわば「世界」すべてを描き表そうとしているかのような、そんな凄みが感じられるよ。

torarin

トラりん:淺湫研究員といっしょに時宗の予習をしたときに、円伊りんは謎の絵師と言われているって聞いたよ☆
とってもミステリアスで気になる存在だリン!

井並研究員:この作品は、一遍の親類かつ高弟と考えられている聖戒(しょうかい)が文章を、円伊という画家が絵を手掛けたことがわかっているよ。
でも、円伊がどういうところに所属して、どういう勉強をした人なのか、まだわかっていないんだ。
ぜひ、絵を見ながら想像してほしいね。

torarin

トラりん:特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」は、渋めのイメージがあったけど、じっさい展示室に来て見ると、いろいろなものが展示されていて面白いね☆

井並研究員:そうでしょ。
一遍や後世の上人たちがおこなった遊行や踊り念仏は、実は時宗に限らず日本文化の深いところに今でも生きているから、
「時宗?仏教?難しそう。他の展覧会に行こっと」とか考えると、
後悔するよ。

トラりん:
_人人人人人人人_
> 後悔?!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

期待のホープに言われたら、京博に来るしかないリン!!

torarin

井並研究員:いや、もうそれやめて!
それじゃあ、つぎは書跡担当の上杉研究員にバトンをパス☆

\ボクの顔の前に出さないでー=3/

torarin


おまけ☆

平成知新館2階のレファレンスコーナーでは、
特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」関連ワークショップ
一遍さんを探そう!~さわって楽しむ絵巻物~

を開催しているリン!
torarin

井並研究員がお話を聞かせてくれた「一遍聖絵」のうち、詞書と絵が分かれて所蔵されている、京都を舞台とする巻七の第2段と第3段を、オリジナルの姿に再現した特別な複製絵巻を用意しているよ☆
絵巻を実際に手に取りながら鑑賞するワークショップだから、展示とあわせて体験してもらえたらうれしいリン♪

あまり知られていないボクのYouTubeチャンネルでも、ワークショップを紹介しているから、こちらもぜひ見てほしいリーン!

あと...
図録(税込2,500円)も好評発売中☆

torarin

特別展 時宗二祖上人七百年御遠忌記念
国宝 一遍聖絵と時宗の名宝

■会期:2019年4月13日(土)~ 6月9日(日)
    前期:2019年4月13日(土)~ 5月12日(日)
    後期:2019年5月14日(火)~ 6月9日(日)
    ※会期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います。
■会場:京都国立博物館 平成知新館
■交通:JR、近鉄、京阪電車、阪急電車、市バス
■休館日:月曜日
※月曜日が祝日・休日となる場合は開館し、翌火曜日を休館とします。
※ただし、4月29日(月・祝)~5月6日(月・休)までは続けて開館し、5月7日(火)を休館とします。

■開館時間:
火~木・日曜日:9:30~18:00(入館は17:30まで)
金・土曜日:9:30~20:00(入館は19:30まで)

■観覧料:
一 般 1,500円(1,300円)
大学生 1,200円(1,000円)
高校生  900円 (700円)

※( )内は前売り料金・20名以上の団体料金。
※中学生以下は無料です。
※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳
※大学生・高校生の方は学生証をご提示ください。
※キャンパスメンバーズは、学生証または教職員証をご提示いただくと、各種当日料金より500円引きとなります。

\奈良国立博物館「国宝の殿堂 藤田美術館展」との相互割引もあるリーン♪/
会期中、奈良国立博物館「国宝の殿堂 藤田美術館展」の一般観覧券および無料観覧券、またはその各半券を、当館チケット売場にてご提示いただくと、特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」一般当日券が1回のみ200円引となります。

■関連イベント
<記念講演会>
〇4月27日(土)
「一遍・真教の念仏思想」
 講師:長島 尚道 氏(時宗教学研究所顧問/真光寺住職)

〇5月11日(土)
「国宝 一遍聖絵─旅と風景、その魅力と謎─」
 講師:井並 林太郎(京都国立博物館 研究員)

〇5月18日(土)
「時宗のみほとけ─阿弥陀と祖師像を中心に─」
 講師:淺湫 毅(京都国立博物館 連携協力室長)

〇5月25日(土)
「一遍聖絵に見る聖性と熊野信仰」
 講師:遠山 元浩 氏(遊行寺宝物館長)

【時 間】 13:30~15:00
【会 場】 平成知新館 講堂
【定 員】 200名
【聴講料】 無料(ただし、当日の観覧券等が必要)
当日12:00より、平成知新館1階グランドロビーにて整理券を配布します。
定員になり次第、整理券配布を終了します。

<記念イベント>
「時宗声明と踊躍念仏」
【出 演】 時宗京都声明研究会
【日 時】 4月28日(日)13:30~15:00
【会 場】 平成知新館 講堂
【定 員】 200名
【料 金】 無料(ただし、当日の観覧券が必要)
12:00より、平成知新館1Fグランドロビーにて整理券を配布します。定員になり次第、配布を終了します。

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