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2021年10月29日
こんにちリン!
トラりんだリン!
みんなー☆
特別展「畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─」を楽しんでくれているかな?
この展覧会には、ボクの生みの親、光琳さんの作品が展示されているよ♪
今日は福士研究員にしっかり説明してもらうつもりだリン☆
(福士研究員)
トラりん、気合が入っているね。
(トラりん)
福士研究員☆
畠山記念館のコレクションには琳派(りんぱ)の素晴らしい作品が含まれているよ。
「琳派」とは、江戸時代初期の俵屋宗達・本阿弥光悦に始まり、尾形光琳・乾山、そして江戸時代後期の酒井抱一らへと続く、日本美術史上の一大潮流のこと。畠山記念館には、この琳派の作品が数多く含まれていて、コレクションの特色のひとつとなっているよ。しかも、各世代の作品がしっかり押さえられていて、琳派の系譜が辿れるようになっているんだ。
「琳派」という言葉はよく耳にすると思うけど、じつは、宗達や光悦の時代から「琳派」と呼ばれていたわけじゃないんだよ。
そうなんだ!むかしから「琳派」って呼ばれてたのかと思ったけど、違うんだ!
そういうこと!でも、この「琳派」という概念のなりたちはなかなか面白くて...
福士研究員!せっかく作品が並んでるんだから、前置きはそのくらいにして...
\展示室にしゅっぱつ☆/
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はじめはこちら。
「重要文化財 赤楽茶碗(あからくちゃわん) 銘 雪峯(せっぽう) 本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)作 (畠山記念館所蔵)」<前期:1F-3、後期:2F-3 通期展示>。
陶磁器は降矢研究員にお任せしたいところだけど、琳派の源流とされる、本阿弥光悦の作品を紹介するよ。
ひび割れの金継ぎ部分を渓流に、白い釉薬の部分を山に降り積もる雪に見立てた「雪峯」という銘は、光悦がつけたと言われているよ。この茶碗は即翁が最も愛した茶碗とされ、大事なお茶会に使われたんだって。
即翁さんのお気に入りだったんだね。ひび割れはインパクトがあるけど、コロンとした形はほっこりするなあ。作ったのはどんな人?
光悦は、刀剣の手入れや鑑定に携わる家に生まれ、錚々(そうそう)たる武将たちと交わり、書家として、また陶芸家や漆芸のディレクターとして活躍した人だよ。
後期展示の「重要文化財 四季草花下絵古今集和歌巻(しきそうかしたえこきんしゅうわかかん) 本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)書・俵屋宗達(たわらやそうたつ)下絵 (畠山記念館所蔵)」は、「風神雷神図屏風」でおなじみの俵屋宗達とコラボレーションした作品だよ。こちらもぜひ見てほしいな。
あの「風神雷神図屛風」の俵屋宗達とコラボ!それは見逃せない☆
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つぎは、トラりんお待ちかねの作品を紹介するよ。
「重要文化財 躑躅図(つつじず) 尾形光琳(おがたこうりん)筆(畠山記念館所蔵)」<2F-3 前期展示>
チラシで見た時も思ったけど、小さなお花がとってもかわいいリン!
描かれているのは、岩と渓流、そして紅白の躑躅。少ないモチーフによるシンプルな絵だけど、じつに洗練された構図が素晴らしいね。岩の部分は墨のにじみを生かしてうまく立体感を表現しているし、渓流のゆるゆるとした線描なんかも、一見したところでは簡単なように見えるけれど、緩みなく研ぎ澄まされているねえ。
さすがボクの生みの親☆(うっとり・・・)
さいごは、 「重要美術品 四季花木図屏風(しきかぼくずびょうぶ) 渡辺始興(わたなべしこう)筆 (畠山記念館所蔵)」<2F-4 前期展示>を紹介するよ。
すごく色鮮やかな作品だね!ちょっと南国みたい。
朗らかな色彩と柔らかなタッチが、気持ちを明るくさせてくれるようなところがあるよね。四季の草花を描いたとても華やかな屏風で、こういう絵は俵屋宗達も得意としていたんだ。でも、ここにはそれまでほとんど描かれてこなかった珍しい植物も見つけることができるよ。トラりん、わかるかな?
むむむ、お花大好き男子としてはカッコよく正解を言いたいところだけど...
全然わからないリン。
ちょっと難しい質問だったね。
いくつかあるんだけど、左隻右下の赤い花は美人蕉(姫芭蕉)といって、中国南部からインドシナの原産。日本には琉球経由でもたらされた植物だよ。こうした新来の植物の情報にいち早く触れ、絵画のモチーフとして取り入れることで、この時代ならではの新たな草花図を生み出しているんだ。40種類以上の草花が描かれているから、どんな植物が描かれているか、じっくり探してみるのも楽しいかもしれないね。
ちなみに、絵画作品は前期と後期でほとんど入れ替えになるんだ。前期展示は11月7日(日)までだから、気になる作品があったらぜひ博物館まで見にきてほしいな。
後期展示も気になるリン・・・
ということで
\エピソードⅢもお楽しみに!/
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おまけ☆
(カリスマ販売員の2人)
\グッズもあるよ!/
ドオォォォン
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\福士研究員が講師の記念講演会もお見逃しなく♪/
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11月6日(土)
「近代数寄者の琳派作品収集と畠山即翁」
講師:福士 雄也(京都国立博物館 主任研究員)
※ご聴講にはローソンチケットで「聴講券付き日時指定観覧セット券」のご購入が必要です。無料対象の方も、「聴講券付き無料日時指定観覧セット券」のご予約が必要です。
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\展示映像も/
即翁と與衆愛玩―畠山記念館の名品より―
場所:2階ラウンジ
時間:約9分 9:00~17:15に繰り返し上映
\おうちで楽しむ京博/
虎ブログ
特別展「畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─」を予習するリン♪
特別展「畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─」を見に行くリン♪エピソードⅠ
鑑賞ガイド・ワークシート
子どもから大人まで、作品に楽しく向き合えるような鑑賞のヒントや、作品をもっとよく見たくなる問いかけを用意しています。
鑑賞ガイド「即翁さんの宝物」(日本語版)
A Guide to Enjoying the Exhibition "Sokuō's Cherished Treasures" (English)
鉴赏指南《即翁先生的宝物》(简体中文)
특별전 감상 가이드 <소쿠오가 사랑한 명품 고미술> (한국어)
グレゴリ青山の 深掘り!京博さんぽ
京都在住の漫画家・グレゴリ青山さんが、京都国立博物館を紹介するエッセイ漫画です。
第7回 深掘り! 京博バックヤード その3(文化財保存修理所その1)
特別展 畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のためのお願いにご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。随時、京博ウェブサイトや公式Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の際は最新情報をご確認ください。
また本展は、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、事前予約優先制を導入します。ご来館前にローソンチケットにて人数分の「日時指定観覧券」をご購入、発券ください。「当日観覧券」もございますが(当日博物館南門にて販売)、ご入館いただける直近の時間枠にてご案内申し上げます。
■会期:2021(令和3)年10月9日(土)~12月5日(日)
前期展示:2021年10月9日(土)~11月7日(日)
後期展示:2021年11月9日(火)~12月5日(日)
■会場:京都国立博物館 平成知新館
■休館日:月曜日
■開館時間:
9:00~17:30(入館は17:00まで)
※夜間開館は実施しません。
■観覧料:
一 般 1,800円
大学生 1,200円
高校生 700円
\芸術の秋は京博で♪/